事例紹介
CASE STUDY

株式会社QUICK×EDGE株式会社様の導入事例

「走りながら考える/失敗から学ぶことに価値がある」(職種:企業調査アナリスト、留学頻度:週1日、留学時:中途入社3年目)

株式会社QUICK×EDGE株式会社
  • 目的

    成長企業の事業戦略の考え方、その取り組み方法等を実業の内側から学ぶことで、企業分析スキルを深化に資する知見を習得する/事業・サービス開発に必要なスキルの習得

  • 背景

    共創未来アカデミア(創業50周年を迎える記念プロジェクト)の一環で将来を担う若手リーダーの育成が必要だった

  • 効果

    成長企業のプロジェクトに参画することで企業分析に活かす知見を習得することが出来た/走りながら考える・失敗から学ぶことの重要性を学び、新規事業・サービスの立ち上げに必要な組織文化について理解を深めることが出来た

 

他社留学を終えて元の職場に戻った「卒業生」にインタビュー。留学中、留学後の想い、そして「留学後に何が変わったか」について、体験談を語っていただきます。

今回お話を伺ったのは、株式会社QUICK。他社留学を経験したのは、企業価値研究所のシニアアナリストの原田大輔さんです。留学先は、学生と企業をつなぐ国内シェアNo.1ツール「エアリーフレッシャーズクラウド」や、休職、出向などで自社社内環境にアクセスできず、情報難民になりがちな社員へ情報を配信する「エアリーダイバーシティクラウド」など、働く人にスポットをあてて人事課題をテーマにサービス開発提供を行うベンチャー企業、EDGE株式会社です。留学中は、新規サービスおよび全社の今後のマーケティング戦略立案を行いました。

所属

株式会社QUICK

留学先

EDGE株式会社

他社留学期間

週1日/3ヶ月間(2021年4月~2021年7月)

留学した人

リサーチ本部 企業価値研究所 調査部 原田 大輔さん(留学時:中途入社3年目 )

送り出した人

ひとづくり本部 StepUp推進グループ部長 島 睦さん


- まず初めに、他社留学中に参加した経緯について教えていただけますか?

原田さん(以下、原田 はい、今回の他社留学は社内で公募があり、志願しました。社外留学を通じて自身の現在地を再認識し、当社の持続的な事業拡大に貢献できる人材へと再成長するきっかけにしたいとの想いがありました。現職の企業調査アナリストは専門性が高い反面、身に着けられる知見や能力の幅は狭く感じられ、現在のキャリアの延長線上で当社の持続的な事業拡大という大きなミッションに貢献出来るか、疑問を抱くようになりました。直近1年間は社内の新規事業やサービスの立ち上げに積極的に参画していましたが、他社留学を通じて活動の場を社外に広げ、自身の特徴に対する認識をより確かなものとし、今後のキャリアで必要な知見や能力を見極め、身につけたいと考えました。

具体的には、ベンチャーをはじめとする成長志向の高い企業に留学し新規事業やサービスにチャレンジすることでビジネスの企画・推進力を身につけたい、これに加えて成長志向の高い企業の最前線を経験することで現職の企業調査にも役立てたいと思いました。

- 実際に3ヶ月間の他社留学に参加してみて、いかがでしたか?

原田 非常に濃い3ヶ月でした。今回の留学にあたって所属企業からは成長企業の取り組みや知見を取り入れて欲しい、失敗も含め多くの経験を積んできて欲しいという期待を受けていました。そんな中、自分の課題を明確化したり、熟考したり、様々な変化や気づきがありました。

- 留学中の3ヶ月間は、どんなことをされていたのですか?

原田 留学先が事業拡大やその先の株式上場を目指し、これまでのサービスとは全く異なるコンセプトや技術を基に複数の新サービスをリリースしており、その拡販に向けたマーケティング戦略の立案から実行までを行いました。最初の1ヶ月は自社の現状に加え他社や業界動向などを分析し、ターゲット顧客やアプローチに向けたマーケティング戦略を策定。2ヶ月目はマーケティング戦略に沿った施策の検討、実行に向けた準備、関係者調整などを行い、3ヶ月目で施策の実行および途中経過のチェック、施策の修正、プロジェクト後も戦略・施策を継続するための整備等を行いました。

原田さんが担当したサービス-エアリーフィードバッククラウド https://airy.net/feedback/index.html


- 全く知らない環境への留学ということでしたが、留学先とのコミュニケーションはどのように進めていきましたか?

原田 最初の1ヶ月間は目の前の事を進めるために必要なコミュニケーションに留まってしまっていました。しかし、留学先の代表である佐原さんに「もっと図々しく巻き込んでいってほしい」とアドバイスを頂いたことをきっかけに、途中からは業務に関わらず様々なコミュニケーションを取るよう意識して変えていきました。「私の要件はこれです、以上」のような淡白な会話ではなく、意識的に寄り道してみたり、関係しそうな事柄には積極的に顔を出したりしていきました。

- 今回の留学でどのような気づき・学びがありましたか?

原田 留学して最初の気づきは「自分自身の価値を言語化出来ていない」ということでした。その点、佐原さんは私以上に私に出来る事を理解しているように感じました。「原田さんはこんな事が出来るので、それを生かして次はこういう事をやって欲しい」と明確に言って頂いて、そこで改めて自分自身の価値を知ることが出来ました。

- 自分の価値を言語化するというのは、難しいことですよね。

原田 そうですね。自分の価値を相対的に判断すること、それを言葉にして伝えることは難しいですよね。そもそも私の場合、「私に出来ることは価値がないかもしれない」と思い込み、留学が始まる前や始まった当初は留学先に対して価値を提供できるか不安でした。組織で長く業務を続けていけば、この部分は他の人より出来るから価値になる、というのがなんとなく分かるとは思いますが、留学ではそういう訳にもいきませんよね。

不安だらけのスタートでしたが、とにかくアウトプットすることにはこだわりました。その結果、自分の価値だと思っていないことも相手にとっては価値になっているという経験をすることができ、自分の価値は他者が評価するということを再認識しました。

また、今回の留学を通して、最初は「出来ない」と思っていたことがやってみたら、「意外と出来た」という経験も多くありました。「出来ない」と判断する前に、「まず、やってみる」ことがシンプルではあるけれども大事だということに改めて気づかされました。


(写真下 原田さん)

- 3ヶ月間という短い期間だったので、成果を出すのは大変だったと思います。

原田 最初の1ヶ月は企画フェーズだったのですが、全く関わったことがない領域で⾃分が出来ることをなんとかこなしていました。また、週1回の留学で現職と並行していたので、現職が忙しくなると消極的になってしまっていました。しかし、2ヶ月目に入り実行フェーズとなってからは、不安とか消極性とかそんなことは言っていられない状況になりました。
振り返れば、あの時もっと踏ん張ればもっと出来たかもしれないと思うこともあります。週1日という限られた時間の中ではありましたが、状況にあわせて自分の行動を柔軟に修正していくスピード感や、成果に対するこだわり、コミットメントをもっと強く持てていれば、二歩三歩と踏み込むことは出来たはずです。それでも以前に比べると失敗を恐れず勇気を持って、一歩踏み出せたように感じます。

- 留学後は、今回の留学で学んだことを所属企業でどのように活かしていますか?

原田 今意識していることは、周りの方々とのコミュニケーションの量と質です。「自分が先陣を切るんだ」という姿勢が周りにも伝わるようにコミュニケーションを取るようにしています。「リーダー」という言葉を出しているわけではありませんが、自分が主体になって進めていく、自分がやっていかないといけない、という意識を持って仕事をしています。

また、小さなことではありますが、「まず、やってみる」という姿勢に変わりました。留学前であれば、自分の中で良いと思ったことがあった場合は、まず考えて他の人の迷惑にならないよう慎重に進めていました。今は自分で良いと思うことはどんどん行動していくようになりました。たとえば、留学前には送信を躊躇っていたメールも、今であれば「まず、やってみる」という思いで直ぐに送信ボタンを押す。行動としては小さな変化ですが、マインド面では大きな変化を実感しています。

- 今後に向けて、何か考えていることはありますか?

原田 自分の行動を変えるということもそうですが、会社全体の成長にもつながるようなことに取り組んでいきたいと考えています。留学からは失敗から得られるものが大きいことも学びました。「失敗しても学びになる」と思うと次なるアクションが取りやすいことも実感できました。新規サービスや事業をやる上では走りながら考えて、失敗から学びを持ち帰り、二発目、三発目を矢継ぎ早に出していく、というやり方が成功につながりやすいのではないか、と思うようになりました。ただし、それをやるためには会社全体でそういう雰囲気や場を作っていかないといけないので、その部分で課題意識があります。

留学先だから失敗できたこともあったのかもしれません。失敗の許容範囲は会社によって異なりますので、留学先と同じことをそのまま所属企業でやってしまうと個人的にはいいと判断しても、会社として厳しい面もあると思います。事業的にも信頼性が大事な会社なので、失敗の許容範囲を探っていくことも必要です。私自身も新規サービスや事業の立ち上げを主導出来るような人材に成長していくとともに、新規サービスや事業が次々と生まれ、育っていく環境づくりにも貢献できればと思っています。

今回の留学を通して一番変わったたことは、「走りながら考える」という姿勢だと思います。走りながら考えて、失敗したとしても学びを持って帰ってくることが重要であると感じることが出来ました。私の中で大きな行動変容があった部分です。会社全体としても、走りながら考えるというよりは、走る前に考えてから慎重に進めていく雰囲気があると思います。今回学んだベンチャーマインドを活かし、自分自身が行動することでそんな雰囲気も変えていけると思えるので、恐れずに行動していきたいです。

 

<留学先からのコメント> ~EDGE株式会社 代表取締役 佐原資寛様より~

精緻な分析とPDCAへの入り口「P」のドキュメント作成が特に素晴らしく、勉強させていただきました。最後にプレゼンしていただいた内容も素晴らしかったです。この3ヶ月を通して、良い意味で「図々しく」成長できたと思いますし、業務が推進されていく中で巻き込み力も大きく進化したように思います。今回の学びを活かして、所属企業で更なる成果を出せる人材になってほしいと思います。ありがとうございました。

 

会社名

株式会社QUICK

業種

資産運用支援、注文執行業務の支援、情報ネットワーク構築支援サービスなど、証券・金融市場に関連する総合的なソリューションの提供

URL

https://corporate.quick.co.jp/